楽太郎です。
以前、日月神示の解釈による「大峠とは何か」という記事を書きました。
そこに示した図説では、私自身の考えに基づいた解釈も含んでいたために「日月神示」の概念とは若干異なる用語を用いて説明していました。
以下に、神示のタームを使いながら「三千世界(神・幽・現界)」の図を作成したので掲載します。
神国を構成する「天国」と「霊国」のうち、天国には日の神が統治する「スメラ神国」と月の神が統治する「ユツタ神国」があると神示にあります。
その二つの天体が象徴する国については、岡本天明氏の論考と思われる「地震の巻」に詳細がありますが、神示ではないため解説は省略します。
私の考える「幽界」という霊的階層を、神示では「現界(地上世界)」と私が定義した「霊界の下層域」の間にある「中界」と呼んでいました。
この中界は、人間が一般的には死後50日ほど、長くて20年ほど滞在しながら、霊的身体に慣れる準備的な霊界であるとされます。
この「中界」が取り払われ、あるいは縮小していくことで死後の準備期間の短縮が起こり、上の霊界に上がれなかった不浄霊が地上に降りてきているのだと私は考えていました。
しかし、どうも今起こっている不浄霊の大量憑依は、「中界の縮小」だけによるものではないようです。
「霊界で起こったことは現界に反映される」という法則に則るなら、春分点で分岐した「神と獣」という霊的二極化も霊界で起きたと考える方が自然です。
そして「霊界で起きたことはすでに神界で起きたことである」とするなら、神界でも霊界でも二極化が起きていたと考えることもできます。
これを敷衍すると、とんでもない結論に突き当たります。
人間が「神と獣」、私が言う「神世と人世」の魂の分岐はそのまま霊界の「神に従う魂」と「神に抗う魂」に分けられ、神界ではそれが「正神側」と「逆神側」いう構図になっているのではないでしょうか。
これが日月神示にある「神と悪神の戦い」を意味し、啓示が降ろされた80年前の時点で「神の国の奥の奥では戦いが済んでいるが、神国は真っ最中」と書かれています。
つまり岡本天明氏に神示が降りた戦中時には、まだ神界では「正神」と「逆神」の対立が激化している時期だったことになります。
奇しくも「第二次世界大戦」とは、シルバーバーチの「霊訓」によれば「地獄から上がってきた悪魔を天使が地獄に押し戻す戦いだった」と書かれていたりもします。
即ち80年前の大難の時代は、同時に「光と闇の戦い」が起こっていたと考えて良いと思います。
ただ思い返して頂きたいのは、第二次世界大戦の戦勝国であるアメリカが「光の側」であったと結論づけることはできません。
そもそも当時のアメリカ大統領であったトルーマンは日本が降伏に傾いているのを知りながら、新兵器の「原爆」の実戦投入を計画し、累計で50万人に及ぶ非戦闘民間人の犠牲者を出しました。
原爆慰霊碑には、「二度と過ちを繰り返しません」と書かれていますが、なぜ原爆を落とされた被害国側が戦争を始めたことを何十年間も詫び続けなければならないのでしょうか。
大量の民間人殺傷はナチスのホロコーストに並ぶ戦争犯罪に問われるべきなのに、当のアメリカには原爆投下すら知らない人が多いそうです。
まして原爆被害がなぜ「日本が悪かったから多くの民間人が犠牲になった」みたいな解釈になっているのか、そこにアメリカが先導した戦後処理の歪みが現れているように思います。
そして、アメリカが統治した後の日本は属領地の体制のまま80年を経て、今では国家存続さえも危ぶまれるほどに、アメリカと同じ衰亡の道を歩んでいます。
そのアメリカという国家の歴史をきちんと俯瞰してみれば、この国が決してイメージ通りの自由を保証する民主主義の国ではなく、欺瞞と謀略に塗れた利権国家であることに気づくでしょう。
そしてアメリカを中心として西側諸国と東側諸国、第三勢力諸国の対立が生じ、その一端がウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻に繋がっています。
つまりは、世界中に戦争の火種を撒くアメリカという国は、一貫して戦時中から「光の側」であったとは言えません。
1930年代に世界恐慌の発端となった大不況下のアメリカは、第二次世界大戦の戦時需要を最大限に活かしてブル相場となり、「自国の金融危機は戦争で賄う」というやり方を未だに続けている国なのです。
第二次世界大戦が「光と闇の戦い」の反映であったとしても、おそらく闇の勢力が主導権を握る時代は現界ではまだ終わっておらず、これから光の勝利が訪れるとしたら現象となるのはまだ先の話でしょう。
春分点で人類に起きた霊的二極化は、これから具現化する段階にあります。
その現象がすでに霊界に起きているとするなら、9.11以降、急速に不穏になり始めた世界情勢、近年の社会的混乱と人心の腐敗、今起こっている憑依と不浄霊の大量発生も「霊界の二極化がもたらしたものである」と考えたら辻褄が合います。
そして、世に混沌をもたらしているモラルハザードが不浄霊の干渉によるものだとしたら、霊界で「逆神」の側にある神に仇なす霊人たちが地上に降りてくる説明もつきます。
霊能者やスピリチュアリストたちが「幽界の消滅が起きている」と口を揃える現象の裏には、神に従う側の霊人と神に抗うことを選択した霊人の二極化があり、「幽界の縮小」はその反映なのかもしれません。
要するに、幽界に住まう霊人であっても光に向かうことを選ぶ霊人と、光の神に仇なす勢力となった霊人がいて、霊界における大峠の一環として神に仇なす霊人たちのエクソダスが起きている可能性があります。
しかし、日月神示の文脈では「排除は悪そのもの」であり、私はこれらの逆神側の霊人たちも最終的には光に取り込まれていくのだろうと思っていました。
ただ、行き場を失った神に仇なす霊人たちが地上世界に降りてきている現状を鑑みるに、彼らはもう神界、幽界に戻ることを許されていないのではないかと考えられます。
だからこそこの地上を「幽界的」な世界にするべく、似た波長の者に憑依して地獄的状況を再現し、その破滅的現象を蔓延させているのではないでしょうか。
とすれば、春分点で人類に起きた「二極化」が、これからどう現れてくるかも想像しやすくなります。
日月神示の「神と獣」という概念は、人間の魂が大神から分けられた「分御霊」であることを踏まえると、神だった魂が獣に堕ちることを意味します。
「獣」というのは犬やカラスなどの動物のことですが、人間以外の生物は「神の魂」を持っていないため、輪廻転生することはほぼないと言われています。
つまり、「獣」に分けられた人間は今世を持って魂の輪廻を終えることを意味し、それは神に仇なす側の霊人が幽界に住むことが許されなくなったことに対応します。
人間は死後、中界の霊的準備段階を経て神界か幽界の霊界に進み、元の霊体に戻ります。
しかし、霊界に戻らずして再び地上に転生を行うことはおそらくできないでしょう。
ゆえに、神に仇なす勢力の一部となった人間は、そのうち地上に残ることだけでなく、死後に霊界に入ることすら許されなくなる可能性があります。
ただ、やはり神々が「排除」を正当化するとは思えず、ゆえに「自分がどちらにつくかを問い、その判断を委ねた末の選択」だったのだろうと思います。
実は現界においても春分点は「選択の確認」であり、5月の満月は「選択の再確認」だったのではないかと私は考えています。
だから、これらは神々が強権的に行っている排除行為ではなく、自分たちが選択したゆえの道筋であり、結論なのだと思います。
あえて言うならば、神に仇なす側を選ぶ、つまり唯物論や拝金主義の延長にある弱肉強食的な世界を選択した人々は、今世を最後にする可能性があります。
私はこの結論がこれまで薄々見えてはいたのですが、何とかその結論に至るのを避けてきました。
あまりにも救いがない話に思えるからです。
ただ、こうして筋立てて考えてみると、どうしても残酷なことを書かなくてはいけなくなってしまいました。
現在の世界情勢を考えると、象徴的なのがイスラエルによるパレスチナ侵攻です。
イスラエルは第二次世界大戦後、パレスチナに住むシオニストグループにアメリカが無償の経済的支援、武器供与を行って建国に尽力しました。
そして現在、アメリカ政府はイスラエルのロビイストグループの手玉になって国費を投じ、侵略戦争と虐殺行為の片棒を担っています。
アメリカがイスラエルを支持しているのは、キリスト教右派がユダヤ教を支持していることに由来していると言いますが、それは表向きの言説でしょう。
おそらく、ユダヤマネーが米財界に流れてくることで必然的にイスラエル支持の政界になっているのだと思います。
ユダヤ教は「旧約聖書」を礎としますが、アメリカに多いとされるプロテスタントは「新約聖書」を教典とし、キリスト教には「最後の審判」という説話があります。
世が終わる時、キリストが再臨し「正しい者」と「正しくない者」に分けて審判を行い、「至福の命」か「永遠の罰」を与えられるかを裁くと言います。
私は、この二極化は神示の「神と獣」を表しており、「再臨前の世の終わり」こそがまさに今その時なのではないかと感じます。
そして「キリストの再臨した千年王国」は、奇しくも国常立尊が「大日月の神」となられた後に誕生する「神世」を彷彿とさせます。
仮にそれが現代に起きているのだとしたら、「最後の審判」は現在、全人類の魂のレベルで起きていることなのかもしれません。
もし「正しい者」と「正しくない者」が神によって裁かれるとしたら、イスラエルの行いは正しいのか、アメリカの行いは正しいのか、その判決は審判を待たなくてもわかるような気がします。
その判決はすでに私たちに下っているはずですが、その宣告を知るまでには若干タイムラグがあるでしょう。
おそらく、それがこれから具現化するだけのフェーズに入り、幽界の仇なす者たちが行き場を無くしたように、この地上で行き場を失くす人々も出てくるはずです。
今年で戦後80年と言いますが、我が国とアメリカとの因縁は1853年のペリー来航に遡ります。
往年の江戸幕府の「体たらく」は否定しようもないのですが、幕末の混乱期を経て欧米型の軍事国家となった日本は、対外戦争を繰り返した果てに敗戦国となり、今では自衛権もろくに持たない属国同様の国家となってしまいました。
「日月神示」には「自由も共産も共倒れ」とありますが、まさに今の世相に見えるのではないでしょうか。
世界が「アメリカの側に立つか、中国の側に立つか」で諍いが起こる中、神示はそのどちらにも寄辺はなく「神の政治を行う神の国」にあると言い、しかし必ずしも日本を意味しないと言われます。
「神国」とは、神を頂点とする統治国家のことを指し、それが新たな世の中心となっていくとされます。
我が国日本が真の「神国」となり、新たな世界の中心となる国に生まれ変われるかは、今を生きる私たちにかかっています。