「招神万来」ブログ移転

楽太郎です。

突然ですが、「招神万来」はこれまで「忍者ブログ」のサービスを利用してきましたが、自分のサイトでの活動に移行することにしました。まだデザインなどは調整中ですが、本ブログの過去記事230本余りの本文は取り込み済みです。

自サイトに移転する経緯としては、ブログサービスを運営する「忍者ツールズ」様の料金改定により、11月1日から料金が2倍になるとの発表があったからです。月々240円でしたので、むしろこれまでが安価すぎたのだと思います。
引き続きサービスを利用しても良かったのですが、以前から考えていたこともあり、移転を決意しました。

老舗のgooブログが11月をもってサービス終了となるそうで、業界的に鑑みてブログサービスの存続は厳しいのだろうと思います。
今は動画の時代ですし、そうでなくとも短文文化隆盛の世で、人々はSNSのタイムラインしか見なくなって久しいです。

「ブログ」という形式が、いずれ一周回って再び見直される時は来ると思いますが、少なくともあと5年は下火だと思います。
そうでなくとも、全盛期のブログもトラックバック文化と相互リンク文化があったから栄えたのであって、その長所はSNSに代替されてしまいました。

再びブログが注目される時は、かつての個人サイト隆盛の時代のように、マニアックで密度のある情報メディアを運営する個人が増えることによって、昔のような「面白いインターネット」に戻る時だと思います。

今のネットは、大人でも迂闊に触れないほど危険な環境となってしまいました。
如何わしいネット広告、氾濫する詐欺広告、迂闊に登録すると個人情報やクレジットまですっぱ抜かれる、修羅のような状況です。
「テック例外主義」という言葉がありますが、ネットがあまりに治外法権になりすぎてしまったため、今では半グレのパラダイスになってしまったのです。

ネットの世界はかつてないほどの「課金主義」であり、良いサービスの裏にはエゲツない量のサブスクが待ち受けています。
あらゆるネット系サービスを信用しかねると言っても、私の使うWordPressだって昔はフリーの楽園でしたが、今では月々10ドル払わなければまともに動かないプラグインやテーマばかりですし、オープンソースのWordPressがある意味、最強の課金地獄だったりします。

今回、レンタルサーバーを借りてWordPressをサイトに利用することにしたのですが、他のインストール型ブログと機能を比較したら雲泥の性能差で、比較する間もないほど答えが明白でした。
ただ、ネットの世界はこういう「業界一強」がどこの分野も幅を利かせていて、サブスクなどの料金設定もデジタルならば原価計算ができないため、ほぼサービス運営側の「言い値」で料金体系が決まる不明瞭さは何とかならないでしょうか。

そう言えば、クリエイターを阿鼻叫喚の渦に陥れたAdobeの料金改定も、全く根拠の薄い内容でした。

私が契約しているレンタルサーバーは「シンレンタルサーバー」なのですが、今日配信のメールでエックスサーバー株式会社に事業移転するらしく、レンタルサーバー業界も寡占企業の割合が広がっていくのだろうなと思いました。
そういった寡占企業の最たる例が、インターネット検索とネット世界を自分一人の力でボロボロにしたGoogleでしょうが、自分たちがシェアを広げるために新興勢力を叩き潰してきたわりには、「私たちのサービスが気に入らないなら、どうぞ使わないで下さい」と平然と言い放つ度胸の良さには感服します。

実は私は、ITベンチャーの会社にいたこともあるので業界の雰囲気も知らないわけではないですし、だからこそ「ITは信用できない」という頭が抜けきらないのです。
そして、人々が寡占企業のサービスに任せ切って、「寄らば大樹の陰」と大きな傘に入って安心しきった後、もし傘が折れるようなことがあれば、大抵の人が土砂降りの中に放り込まれます。

だから私は寡占サービスはもの凄く危険だと思っていて、されど時代は少数大規模化に向かっているように思います。
ネットというのは、「多様性の坩堝」だったはずなのですが、集金性とビジネスに染まってしまえば、その世界の良さがこうも台無しになって悲しい思いです。

ちょっと愚痴が入ってしまいましたが、私がこうして長文のブログをやっているのも、ある意味「多様性」の一部となることで、生物学的淘汰と全滅を生き残る役割を担っているつもりです。
SNSなどは特に、他のサービスにアカウントをそのまま移転することはできないので、過去記事を丸ごと移設できる「ブログ」の良さはこういうところにあります。

デジタルの世界で「半永久的な蓄積」というのは不可能であり、出来て20年ほどです。それも消えるのは一瞬で、消えてしまえば復元することは殆ど無理ですし、ビルやお寺のスケールとは全く次元の違う儚い世界です。
だから、デジタルの世界は「一期一会」であり、どこよりも回転数の大きい「諸行無常」であると思っています。

その儚い世界を渡りながら、どう自分の仕事を果たし、業績を蓄積し信頼と周知を得ていくか、その道は見通しは依然不透明です。
けれど、そのカオスの海を泳ぐ楽しさもあり、かつて「何でもあり」だったネットの良さを思い出せば、出来ることはたくさんあるような気がします。
忍者ブログ「招神万来」より移転する、自サイト「招神万来」を引き続きお楽しみいただけたら幸いです。