祓戸劇場・試作第四話、今回の主役は「気吹戸主」です。

「気吹戸主」を描くたびに、一部界隈で女子受けしそうだなと思ってました。
いつか、神世の有明で気吹戸主のレイヤーが現れたら、私は一眼レフを買ってお出かけしたいと思います。
「気吹戸主命」に関しては、瀬織津姫命以上に謎の多い神様です。
本ブログでも「祓戸大神」のルーツに迫るべく、何本か検証コラムを上げています。
祓戸大神のうち三柱が「姫」と尊称をつけられていながら、気吹戸主だけは「主」と異なることから、私は当初かの神様を「男神」と考えていました。
もの凄く初期には、ゆるキャラになっている「気吹戸主」のデザインを上げています。
その頃、「気吹戸主」は風を司る神格であられる「志那津彦命」と同一神と考えていました。
「大祓祝詞」には、「科戸の風の天の八重雲を吹き放つことの如く」とあるため、風の神様が祓戸大神に加えられているのだろう、くらいの認識でした。
しかし、「気吹戸主」の語源を調べてみると、「気(イ)」は「餉(ケ)」と同意であり、どちらかというと「大気(宜)津姫命」に比定可能であると考えました。
大宜津姫命は宴の夕餉を用意する際、口から食べ物を吐き出しているところを月読命に見られたことで、激昂され斬り殺されてしまいます。
その亡骸から五穀などの食物が生まれたと神話にあります。
この神話は、稲霊の神「サ(狭)」を象徴している気がします。
これは瀬織津姫命の別名「狭依(さより)姫命」に通じるところがあり、瀬織津姫命はかつて琵琶湖から流れる「瀬田川」の守護神でした。
そして、京都地方にある「伊吹山」から降り立つ「稲(サ)神」こそ「気吹戸主命」だとすれば、祓戸大神の一柱である理由になります。
尊称が「主」であるからと言って、女神であっても「主」であることは可能です。
私はこうして、「気吹戸主命」は女神であり、瀬織津姫命と縁の深い神格であられる、と結論づけました。
さて、今回何気に「賑やかし」で登場したウサミミの女神ですが、名を「白ノ兎姫神」と言います。

「因幡の白兎」から着想を得た神様です。
大国主が助けた兎で、八上姫に大国主が求婚しに行く際、「大丈夫!アンタなら射止められるよ!」と応援し、見事成就させた恋のキューピッド伝説があります。
それはさておき、私はこう考えました。
「高天原には兎の神様もいるに違いない。なぜなら、ネコミミの神様がいるからだ。」
最近の私は地を隠さなくなって久しいです。
このままだと高天原が美少女だらけになって、「高萌えヶ原」になってしまうのではないでしょうか。
…というか、今回瀬織津姫様が出てきてませんね。
何なんだこのマンガ……
