新しい活躍の場

楽太郎です。

これから「祓戸大神」を題材とした漫画、版画とセットで展開する「神代絵」のイラスト、ひとまずこれを軸に制作活動を行なっていきたいと思います。
ただ表現と情報発信の面で、あまり芳しい状況とは言えないかもしれません。

今はどこも産業的に飽和し尽くした状態であり、不況感も相まってビジネスとして最も打って出にくいタイミングだと思います。
クオリティだけではどうにもならず、とは言え今から知名度を上げようとしても難しいでしょう。

インターネットは寡占企業によってアルゴリズムがほぼ独占されてますし、メディア的に見ても超レッドオーシャンです。
TVや新聞、雑誌や出版などのオールドメディアは言わずもがな、新規参入は絶望的と言って良いでしょう。

インターネットやアナログ波、印刷に代替するメディアが存在すれば良いのですが、おそらくメディア史から考えても新技術でもなければ不可能です。
やはり、複雑な情報媒体を人々に伝達するには、モールス信号や狼煙のような伝統技術では難しく、せいぜい江戸時代の「瓦版」のようなものでしょう。

「瓦版」とは、現代で言うフリーペーパーのようなものです。
新聞の号外のように街角で配られるものであり、「費用対効果」だけを狙って無償配布を前提にするのであれば、フリーミアムの精神に則っていると言えます。
しかし、この物価高で印刷費が高騰している時代に、フリーペーパーはかなりハイリスクと言わざるを得ません。

ただ表現媒体として考えれば、インターネットは誰もが使うもので、誰もが使うがゆえに埋もれてしまいます。
その世界は完全に玉石混交なので、多少の口コミ程度では何の変化もないでしょう。
むしろ、そう言った飽和した環境を逆手に取り、フォロワーの多いインフルエンサーが対価を得て人工的に「ヒットさせてあげる」ビジネスもあります。

ここまで来てしまえば、お金と数と力でどうにでもなる世界です。正直言って、そんな世界に打って出る必要はありません。
逆に言えば、不況で沈んでいる街角経済では広告数が激減し、イベントや催しも下火になってきています。
コストの低いネットビジネスに人々が向かう今だからこそ、物質面でアプローチをかける広告事業はチャンスとも言えます。

私が考えているのは、例えば漫画は誌面の方が相性が良く、イラストも文章も印刷物である方が真価を発揮します。
私が自分の作品を自身の発行するフリーペーパーに掲載させる他に、参加アーティストや作家の作品を希望に応じて載せたり、通常のやり方で企業広告に誌面を割くことで印刷料を賄ったりできます。
フリーペーパーのビジネスモデルはリスクとしては高いのですが、やり方次第ではサステナブルになり得ます。

私はそこで、自分が売り出す以外に無名の作家も自由に表現し、知名度を上げるような環境を作れないだろうかと考えています。
この経済不況とWEB産業の飽和からの停滞により、趣味ですら作家活動が成り立たない人は沢山います。
そう言う人たちに活躍のチャンスを与えると同時に、才能ある作家を保護する環境にもなり得るかもしれません。

少し空想的になって来ますが、その考えの延長で「劇団」を作れないかと考えています。
ここで言う劇団は、通常の演劇集団というわけではなく、サーカスのような雑多な演芸集団を指します。

例えば、パフォーマーや大道芸人など、プロとして日々鍛錬を重ねながら、経済の悪化と共に活躍の機会を奪われている人々がいます。
そう言った人々の発表の場を常に用意するというだけでなく、テント一式あればどこでもゲリラ的に開催できるような、そんなイベントを考えることもできます。
そんな催しがあれば、物販やバザーのようなもので収益を上げることもできますし、屋台や出店でも呼び込めば立派な祭りになります。

それをどこかの空き地や公園でやるとしたら、無料で地域住民を呼び込み地元を活性化するだけでなく、参加者が持ち寄りでやる限り元手もあまりかかりません。
こういうのは風営法で融通は効かない可能性は高いのですが、法人的手続きを踏むのであればイベント事業の範囲に収まります。

あわよくば、このイベントでフリーペーパーを無償配布するなら、埋もれていた作家が全く縁のない人にも作品を見てもらう機会となるかもしれません。
これは今のように、ある程度は不況感が蔓延していない時はあまり意味がないかもしれませんが、これから経済がどうしようもなく身動きが取れなくなるほど、社会的な意義は大きくなると思います。

だいぶ空想的な話に聞こえると思いますが、私は同人活動をしていたので印刷には強いですし、イベント会社で働いていたので催し物は得意ですし、劇団に所属していたので団員の面倒は見れます。
こうして見ると、できない理由は「お金とチャンスがない」ことに尽きます。
当面後の話になりそうなので構わないのですが、私が自分で自分を何とかしてからでないといけないのは変わらないようです。

もし賛同者が得られるようなら、クラファンや寄付に頼っても良いでしょうし、サークルを作って持ち寄りでやることも考えられると思います。
ただクラファンはわりと微妙で、資金集めにかかるマージンが仲介企業に15%から30%くらい取られます。
それ自体は考え方次第なんですが、その他のパトロン系支援は危うさも感じていて、一概に軽く考えられるものではないと個人的に思います。

とは言え、現実問題としてお金と社会的実績は必要で、今どうこう考えても取らぬ狸の皮算用になってしまいます。
とりあえずは、目の前のことをこなしていくしかありません。
暗中模索が続きますが、暗い中で探しているのは出口であり、手の中には光があります。

これからは必ずしも、悪いことばかりではないのかもしれません。