「祓戸大神」漫画企画始動

楽太郎です。

以前、企画段階で止まっていた「祓戸大神」の漫画シリーズを本格始動することにしました。

いつもラフばかりで申し訳ないのですが、この下絵は漫画の一コマです。

次第にデジタルの波動を抑え込めるようになってきたため、だんだん勘を取り戻し始めました。
あまりにキャラ(失礼)を描くのは久しぶりなので、絵の描き方よりも作風をどうしようか少し悩みました。
まあまあアニメ調にしつつ、空想的にはなりすぎない路線の画風で安定させて行こうかなと思います。

漫画と言っても1ページ漫画にするつもりです。1話につき1ページみたいな感じです。
江戸時代の洒落本の漫画なども、ほぼこの形式ですね。
進捗としてはこれからペン入れですが、一応予防線を張っておくとまだ設定が固まりきっていないため、ネタとしての完成度は微妙です。

何分、神様を題材にさせていただくので不敬は避けたいところです。
実在のタレントを漫画にするのとは違う緊張感もあり、なかなかネタで遊ぶ気にならず、自分らしい表現に落とし込むのに苦労しています。
人間のクライアント相手ならわりと好き勝手やってきたんですが、今回は権威が大きすぎてどうにもなりません(汗)

作品の発表形態としては、WEBになるのでしょうがこのブログでは文章と交互になると見づらいので、展開していくメディアに関しては考え中です。

あと、「神代絵」の延長で描かせて頂く予定だった神様のイラストですが、これは「神統試論」がある程度完成しないと神様からゴーサインが出なさそうです。
というのも、だいぶ前に「玉依姫命」様のラフをブログに上げたのですが、あれから何故か奇跡的に進まず、未だに取り掛からせてもらえません。

私の崇敬する賀茂神社で玉依姫命様がお祀りされているので、ご縁があるから描かせて頂けるかなという軽い気持ちで描き始めたイラストです。
賀茂神社の御祭神について調べていたところ、玉依姫命はかなりミステリアスな女神であることに気づき、深く調べていった結果、なぜか成り行きで「神統試論」を書くことになってしまいました。

日本の神社にお祀りされている神々は、系統が複雑で由緒に矛盾や不一致がありながら御神名が同一であったり、御神名が同一でありながら地域も伝承もまるで違かったりします。
その中で、ほぼ同一と思われる御神格を思いつきで個々別々に描かせて頂くのはどうなのかな、というのが気になっていました。

神様的には、Wikiを見たくらいで当てずっぽうに描かれるくらいならとことん調べて描け、みたいなお気持ちだったのかもしれません。
とは言え、まさか邪馬台国や天皇家まで踏み込んでいくとは思わず、どことなく命の危険すら感じます。

ということで、神様のイラストは「神統試論」が書き上がってからになると思います。

そう言えば、瀬織津姫命様について調べていて、瀬織津姫命という河川の女神がなぜ「祓戸大神」に結びつけられたのか、軽く見当がつきました。

祓戸大神の登場する「大祓詞」に、「佐久奈太理に落ち多岐つ、速川の瀬に坐す瀬織津姫と云ふ神」とありますが、この「佐久奈太理」とは「佐久奈谷」であり、滋賀県大津市大石東町に「桜谷」という地名が残っています。
付近には中臣金連が天皇家の「七瀬の祓い」を行なったとされる「佐久奈戸神社」があり、瀬織津姫命を始めとした祓戸大神四柱がお祀りされています。

この「七瀬祓」の中に「佐久奈」という瀬川があるわけですが、この大石東町には「鹿跳渓谷」という瀬田川の景勝地があります。
琵琶湖から大阪湾に注ぐ瀬田川(宇治川・淀川)こそ、中臣金連が京都の七瀬祓を行なった河川であり、「佐久奈」とは「境」のことであり、「久那土=塞の神」としての特徴を持ちます。

つまり、瀬織津姫命はこの「瀬田川」に元々お祀りされていた水神であり、京都の除災を司る「魔除けの神」としての性格から、祓い清めの神となった可能性が高いです。
だから、琵琶湖の「佐久奈谷」から滾りながら速川となり、大阪湾の「秋津=(水戸)」まで注げば、あとは海中に罪穢れが押し流されるということです。

ただ、岩手県の早池峰神社や、兵庫県の六甲比賣神社などで祭祀されている瀬織津姫命には、「お祓い」という御利益より、水神や古代の山神としてお祀りされている性格の方が強い印象を持ちます。
瀬織津姫命が「祓戸大神」として日本神道に重要な役割を果たすようになったのは、どうやら朝廷祭祀が強く影響しているようです。

ちなみに、このラフイラストの瀬織津姫様が持っているのは「纏」に見立てた「弊串」です。
私の崇敬する仙台市の瀧澤神社は「火防」の水神として瀬織津姫命をお祀りしています。
まあまあ、瀬織津姫様が漫画映えする設定を盛り込むべく私なりに色々考えました。

実は「水神」と「禊祓い」の関係は、出雲がどうやら起源らしく、伊弉諾命の禊から祓戸大神がお産まれになられたように、出雲の水神と祓いの関係は深く結びついています。
この辺は現在調べている最中ですが、「水」と「山」は同じ語源であるようで、瀬織津姫命様を巡っては色々と興味深いことがわかってきています。