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2025.01.18

黒に染まるな

黒に染まるな
2025.01.18

楽太郎です。

今、新しい仕事に取り掛かっています。
インスピレーションに従って起草し、モチベーションも高い状態ですし、技術的に困難さも感じません。

しかし、私の業界や市場もかなり腐敗しきっていて、まともなプロが活躍できる土壌とは言えません。
儲けるためのセオリーがすでに確立されており、稼ぎのハックの独壇場となっています。
企業はそのシステムの一部であるため、サービス全体でスキームを推奨しています。
その背後にあるのは、他国の文化侵略であると私は思ってますが、それを表立って言えば私の立場はさらに危ういことになるでしょう。

この状況で、正攻法で戦うのは圧倒的に不利です。
ほぼマーケット全体が握られているため、私もある程度は裏をかく必要があります。
ただし、これまで迎合しない態度を貫いてきたからこそ、今さらハックに染まろうとは思いません。

不安はあります。これから先、この泥沼のような業界でやっていける自信はありません。
だから、早く時代が変わって欲しいと思ってますし、それを促進させるための努力なら惜しまないつもりです。

今の日本、世界では尋常ならざる事態が起きています。

その露悪的現象と開き直りは、いかにこれまでの世の平和が隠された偽善であったかを悟るには、十分すぎる情報量です。
ただ多くの人は薄々気づきながら、どうしようもないことも知っています。
その巨悪を育て、のさばらせたのは自分たちであることも、重々承知しているからです。

某企業にしろ、某巨大政党にしろ、某国家にしろ、私たちはまんまと騙された、と。
これほど巨悪だとわかっていれば、賛同などしなかったのに、と。
ただ、彼らは綺麗な横顔だけを見せていただけであって、私たちはいつでも別の横顔を見つけることはできたはずです。
その一面を少しは疑わしく思っても、追求する手立てはなくとも、信じないことくらいは可能でした。

今になって悔やんでも仕方ありませんが、だからと言って無力感に沈むべきではありません。
私たちは、巨悪の崩壊をこれから目の当たりにするからです。
そして、その後からが本番なのです。

「禍」という文字があります。

「禍事」に使われるこの字は、「ネ辺」に「咼」と書きます。「ネ」は神を表し、「咼」は「まがる・まわる」という意味だそうです。


つまり、「禍事」とは神々が動き回るがゆえに起こされる「曲がり事」であって、ノーマルな現象が真っ直ぐ生じることではありません。
現在、世に起きている「禍事」は人間が考えうる最悪の事態かもしれません。ただ、最悪だからこそ、人々に問題意識を強く植えつけます。

冷静に考えて、例え巨悪が隆盛し人々を支配しようと、人々は永遠に巨悪を崇拝し続けるでしょうか。
悪である、問題であると認識された瞬間から、その対象は是正されるか消滅させられるかを待つだけです。例え支配を強めようと、引きずり下ろされるまでの時間を先延ばしにするに過ぎないでしょう。

「禍事」は起きた瞬間から「消滅」という宿命を背負って発生するのです。

消滅が起きた時、同時に「浄化」が生じます。
「禍事」が起こる時は必ず「浄化」が発生し、曲がった物事を真っ直ぐの状態に戻します。
神々が曲がったことを起こすのは、元が曲がってしまったからです。
曲がってしまったものを、神の力で元の形に捻り戻すことが、人々にとって見れば「災厄」にしか見えないのかもしれません。

地震が起きて街が壊れても、地震という災厄は終わり、地層のエネルギーは縮退しまた平穏がやってきます。
森は、山火事を想定して生える植物もあります。何万年も形を変えない森もありますが、それもいずれ消滅し、新しい森に生まれ変わります。

その禍事が終わり、リセットされた世界で一から新しいものを作り始める、新しい時代に合ったものに変えていく、その新陳代謝のために禍事が必要な時もあるのでしょう。
何もなくなって新しいものを作っていかなければならない時こそ、スタートラインです。

自分たちで協力して新しい何かを作っていこうとする時、人々の心に目的意識が目覚め、希望が生まれます。
禍事は、既存の構造物に雁字搦めになり、身動きが取れなくなった現代人に対する、一つの福音なのかもしれません。

私は、今の時代にはいつもアンビバレントな感情があります。
崩壊は起きて欲しくはないけれど、崩壊してもらわなければ困る。
人間には救われて欲しいけど、懲らしめられるのも必要だ。
その感情は常に並行線を辿ります。

思っているよりも、世の中が変わっていかないように見えます。人々の価値観や習慣は根強く、目に見える数字と力はあまりに強大です。

私たちは今「ヨブ記」や「ノアの洪水」と同じ状況を生きています。
悪魔や大衆が嘲笑う中を耐え、神を信じ抜くことで神に救われる道を、私たちは進もうとしています。
それ自体が試練であり、関門なのだと思います。
その向こうに神の恩寵や新世界が拓けているとしたら、ここで諦める理由はありません。

人類や世界の行末を決めるのは、私たちを作られた神様たちです。
私は好き嫌いは言うことはできても、絶対的な善悪を決められるわけではありません。
できることは、あからさまに「黒」だとわかるものには触れないこと、それだけです。

楽な道を歩んでいる人が羨ましくなる時もありますが、彼らは楽の代償に美徳を失っているのです。
人間の価値は、最終的に「徳」の部分ではないのでしょうか。
私も未熟なので揺れる時もありますが、そういう時ほど自分に言います。

「黒に染まるな」と。

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